YadisとOpenIDの関係 (1) - Yadisの用語
OpenID Authentication 2.0から正式にXRIおよびYadis Protocolが仕様に盛り込まれました。
一度きちんと勉強したいと思っていたのでYadisについてまとめると共にOpenIDとどのように関連しているのかまとめたいと思います。
Yadisとは
Yadisの概要
こちらは本家のWhat is Yadisが非常に簡潔に説明しています。
Given an identity URL and no other information, how do we know what protocol needs to be used to authenticate that user? Yadis is a service discovery system allowing relying parties (aka identity consumers or membersites) to determine automatically, without end-user intervention, the most appropriate protocol to use.
要約すると、与えられたIdentity URLから自動的に認証サービスを見つけ出すRelying Partyの為のプロトコルと言えます。
具体的な利用目的についても同じくWhat is Yadisから拝借して、
とあるように、
- webサイトでのシングルサインオン
- プロフィール交換と投稿フォームでの値の自動埋め込み
- アンチスパム(対コメント等)
が主な用途であるとしています。この辺りは非常にOpenIDと近い概念だと言えます。
但し大きく異なるのはYadisはOpenIDのように認証サービスではなく、認証サービス及び他のIdentityベースのサービスをdiscoveryするだけのプロトコルであると言う点です。
Yadisの用語
Yadis 1.0 (HTML) - 3.1 Implementor Termsより拙訳ですが、
- Yadis User
- Yadis IDをIdentifierとして使用するエンティティです
- Yadis IDA
- ひとつ、ないしは複数のYadis Serviceと共に使われるIdentifierです。Yadis IDはURLのでも構いません。あるいはXRIのようにURLとして解決可能な他のIdentifierでも構いません。
- Yadis URL
- Yadis IDの事で、それがURLであったり、さもなければYadis IDが解決するURLです。Yadis URLはYadis Protocolの中でYadis Resource Descriptorの取得に使う事が出来ます。
- Yadis Resource
- Yadis Protocolを使って一つないしは複数のサービスの所在を提供するソフトウェアのプロセス(ないしはシステム)の事です。
- Yadis Service
- Yadis Resourceによって提供されるサービスです。
- Yadis
- javascript:keyword:document">document:Yadis Resource Descriptorに含まれる文書です。
- Yadis Resource Descriptor
- Yadis IDを使う事が出来るサービスを識別するYadis documentの要素です。
- Resource Descriptor URL
- Yadis documentの所在を示すURLです。
- Agent
- partyの為に動作するソフトウェア(あるいはシステム)プロセスの事です。
- Yadis User Agent
- Yadis Userの為に動作するagentの事です。(例えば一般的なウェブブラウザです)
- Relying Party
- Relying Party Agentに対して責任を持ち、またそのAgentの動作の代わりになる団体です。Relying PartyはYadis Resourceによって提供されるサービスの上に成り立っています。特にYadis IDによって識別される個人に関連するサービスによって提供されるデータに依存しています。
- Relying Party Agent
- Yadis User Agentによって提供されるYadis IDを使う(そしてYadis IDを用いて利用出来るデータを使う)Agentによって果たされる役割の事です。Relying Party AgentはYadis Protocolを使ってYadis IDで利用出来るサービスを見つけ、それぞれの挙動に従い修正する事が出来ます。
- RESTful
- RESTのアーキテクチャスタイルを持っている事です。
と言った感じです。
一々用語が小難しく定義されていますが、
- Yadis ID(それがURLならYadis URLと言う)
- Yadis Resource Descriptor
- Yadis document
- Resource Discriptor URL
くらい頭に入っていれば大体理解出来ると思います。
次回予定
Yadis 1.0 (HTML) - The Yadis Protocolを扱う予定。(実は既に調べ終えてるんだけど)
その後にYadis 1.0 (HTML) - 7. The Yadis documentを取り扱って、OpenIDとの関わりを明らかにして行きたいと思います。
かしこ。